2010年05月14日

MGMTの「Congratulations」はまるでカルピスの原液

2008年のメジャーデビューで「Kids」、「Electric Feel」などのキャッチーな曲がヒットしたブルックリンの異端児MGMT。彼らの2ndアルバムはリリース前からメディアの話題となり、なにかと期待値が高いものでした。


MGMT - "Kids" (2008)

リリース前に仕入れた情報は次のとおりでした。ソースは忘れてしまったので自分の記憶に基づいています。

・ジャケがダサイ(僕の感覚です)
・本人達曰く「Kids」のような曲は入ってないよ
・聴いた人によると「もの凄いものができあがった」らしい
・先行シングルのPVに変な生物が出ている(キモイ)

で、実際にリリースされたら賛否両論らしいです。賛否の両方を聞いちゃいないですけど、そうらしい。音楽を聴くのになにを重視するかって観点からアルバムの評価は変わるものだと思いますが、自分も最初聴いたときは難解というわけではないけど、あまり聞きやすい曲ではなかったです。

20100514001.jpg
Congratulations
MGMT (2010)

ところが、何度か聞いているうちにすっごく良く思えてきました。曲の構成がAメロ・Bメロ・サビ・間奏みたいなものではなく自由に進んでいき、曲の最初と最後ではまったく違う印象に変わっているものばかり。そういう構成が聴くのを疲れさせるのかも知れない。シングルカットした曲もそうでしたよね。

シングル「Flash Delirium」
埋め込めないのでリンクで YouTube

しかし、その疲労感の先には素晴らしいサウンドスケープがあるのですよ!まるで登山のように、疲れるけれどそれを乗り越えると美しい景色が見れる、みたいな。決まりきった構成の曲が量産されているシーンへの提唱のよう。かといってそれが押しつけがましいわけでもなく、本人達はやりたいようにやっているだけ。

全米・全英・日本ともになかなかセールスを伸ばしているみたい。この2ndアルバムでこういうのがダメな人は(Kids2的なものが聴きたい人は)ほかのCDを買ってねってことなのでしょうか。そうだとすると、ビッグネームのオープニングアクトをことごとく断った彼ららしいと思います。

各曲の前半・中盤・後半をそれぞれ異なるアレンジなんだと考えると、とてもサービス精神旺盛で盛りだくさんの内容であり、まるでカルピスの原液のように濃密であります。軽い気持ちで飲んだらむせちゃうけど、何度か聴いて少し希釈されると甘美な味になり、最後にはワリモノ加えてチューハイにもできるというスグレモノ。

全9曲だけど、そこに費やされたアイディアやアレンジには倍以上の労力が詰まっていると思います。初聴で受け付けなかった場合でも、せっかく買ったCDを聴かないのはもったいないので間をおいて何度か聞き返してみるとよいと思います。

トラックリスト:
1. It's Working
2. Song for Dan Treacy
3. Someone's Missing
4. Flash Delirium
5. I Found a Whistle
6. Siberian Breaks
7. Brian Eno
8. Lady Dada's Nightmare
9. Congratulations

おすすめ:1, 2, 6, 9。特に「6. Siberian Breaks」が”ひねくれたSean Lenon”的で凄く好きです。しかし、サイケっぽいのを期待すると「3. Someone's Missing」のほうが良かったり、ニューウェイブっぽさが好きなら「7. Brian Eno」だったりすると思います。そりゃ、いろいろですわな。
posted by ryow* at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | misc | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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